パン屋さん“畑のキッチン こめっこ”
田んぼの真ん中にあるパン屋さん“畑のキッチン こめっこ”1)。氷見市立余川(よかわ)小学校を過ぎて300m進むと、左手に小さな看板がある。その角を右折し、古戸橋を渡るとすぐ左手に木造りの店2)がある。“こめっこ”というネーミングだけあって、ここで作られるパンやケーキには、すべて自家生産の米粉と野菜が使われている3)。そのパン作りを担当しているのが、川岸由佳(かわぎしゆか)さん、20歳4)。お店に入ると、人なつっこい笑顔で迎えてくれた。
パン作りを始めるきっかけ
平成16年4月に、氷見へ帰って来たという由佳さん。
「きっかけは、平成15年に福井県にある農業体験のできる民宿で、いろいろ体験させていただいたこと。その中で、とくにパン作りに興味をもったんですよ。そうしたら次は、福井県内にあるパン屋さんを紹介してくださって。そこでは、国産小麦や天然酵母を使ったこだわりのパン作りをしておいでて、半年間、勉強させていただきました。」
「氷見へ帰って来て“こめっこ”をオープンするまでの4ヶ月は、どんなパンがいいんだろう、何とか米を使えないかと、自宅で試行錯誤の毎日でした。今では30種類くらいあって、毎日300個ほど焼きます5)。JAの店やおらっちゃの店、新鮮市場にも置かせていただいてます。一番のおススメは、かぼちゃパンかな。それから、米粉を使ったケーキもおいしいですよ。近所の子どもたちも、おやつとして買いにきてくれるのがうれしいです。」と、弾ける笑顔がますます輝いてくる。
食物も 建物も まるごと『地産地消』
「もともと我が家は、『(有)こばやしファーム』として専業農家なんですよ。この店のお米や野菜は、両親と叔母夫婦が無農薬で作っている安心なものです6)。近所のおばあちゃんにも作っていただいて。父と母は言います。『いい土さえ作ってやれば、農薬なんか撒かんでもちゃんと米や野菜は育つ。』と。パンには、そのお米を粉にしたものと主に北海道産の小麦粉を混ぜ、茹でた野菜をすりつぶして練り込んでいます。そば粉も使ったりしています。安全でヘルシーな、そしておいしいパン作り7)を心がけています。いずれは、天然酵母にも挑戦したいと思っています。」と、しっかり者の一面ものぞかせる。
“畑のキッチン こめっこ”、オープンしたのが平成17年8月。(有)こばやしファームで生産されるお米や野菜のほか、余川味噌や干し柿などの加工品8)、お弁当も製造販売9)している。食べる物が『地産地消』なら建物もという強い思いから、店舗は全て氷見産の杉で建てられている。杉の木の香りと温もりで、とても素朴な感じがする10)。
早速、一ついただいてみた。先ずはおススメのかぼちゃパン。食感はもちっとして柔らかい。たっぷり入ったかぼちゃ餡の甘味が口の中に広がった。翌日になって少しパサついたらレンジで20秒ほど温めると、また違った味わいがあると言う。(やってみよっと!)
由佳さんの夢
「去年、親戚の子どもに頼まれてパン教室を開いたんです。生徒は一人だけでしたが、すごく楽しくってね…。いずれ、パンやお菓子の教室を開きたいなと思っているんですよ。パンは、こね始めてから焼き上がるまで2時間ほどかかるので、その間にコーヒータイムしながらおしゃべりして、いろいろな方と交流できればいいなあ。楽しみです。」
由佳さんの夢はどんどん広がっていく。パン作りが好きでたまらない11)といった感じである。まさに『地産地消』を実践している“畑のキッチン こめっこ”。氷見の若い世代にも、多いに期待したい。
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